あれから3ヶ月、津波被災地をまわる

6月7日

仙台から多賀城市へ向かう途中、高速道路から見える田には水が満ち、植えられたばかりの青々とした稲が涼しげに風にたなびいている。

この日、仙台から南三陸町、気仙沼市、陸前高田市を見てまわった。
津波被災地域は、3月末に訪れたときとはまったく違う印象だった。
言い方がおかしいかもしれないが、復興にむけてスタートした街には活力が溢れていた。














沿岸部の被災地域は全てが乾ききっていた。3月末の時点ではいまだ瓦礫に生活の匂いが残っており、津波被災地に立つと恐怖心が芽生えてきたが、そこにあった匂いも温もりも、何もかもが乾き飛ばされていた。そこにあるのは集め固められた瓦礫の山であった。
家屋が流された後に残っていた基礎部分は取り除かれ、更地と化している。波にさらわれ壊れた車両は、まるで大型の駐車場に並んだ車の様に、整然と並べられている。コンビニがあった後には、トラックの貨物室を利用した移動式コンビニとATMが店開きをしていた。

人は、いつでも、どんな場所でも、再スタートする力を持っている。
安定した日常に甘んじていた自分を省みた。