福島県いわき市の小野さん、小学校で講演

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  「震災に合われた障害者の方はどうやって避難されたのか」

   被災地の障害者の方からお話を聞きたい
 こんな依頼が、八王子市立上川口小学校児童会の皆さんから届きました。 この子どもたちの声に応えたいと、福島県いわき市から小野和佳(いわき市自立センター)さんが出向いてくれました。
 上川口小学校は、八王子市西部の秋川街道沿いの自然豊かな里山が残されている地域にあり、全校児童44人です。一教室のなかに、子どもたちも先生方も職員の方もみんな座ることができました。前の黒板には「みんなの大切な命を支えあうために」と大きな文字がありました。司会などの進行は、男の子ばかり6人の6年生がみんなで分担していました。
 
 小野さんは、いわきで震災に合われた様子を子どもたちに丁寧に話されました。 「地震の直後、事業所にヘルパーさんが真っ青な顔で飛び込んできた。『津波が押し寄せてきてヘルパー先にいけない。私を待ってる障害者が心配でならない』と。」そして 震災時に多くのヘルパーさんが障害者のところへいけなかったこと 小野さんの友人が津波で亡くなったこと 原発事故で町から人がいなくなったこと いわきの障害者たちも新宿に避難したこと 障害者の方が避難するには介助する方も一緒でないとならないこと 今はいわきにもどって仮設住宅に住む地域の方々と共に復興にむけてがんばっていることなどを語りました。会場の方々は話に食い入るように集中されていました。10人ばかりの小さな1年生も小野さんの話に耳を傾けていました。小学生に話すことは、なかなか難しいのですが、声の大きさも早さも言葉も選ばれたようでした。
 お話の後、質問タイムがありました。何人かから手が挙がり、「どんなことが一番困りましたか。」などがありました。同行した私が特に印象に残ったのは、「皆さんも3月 11日に避難をしたでしょう。皆さんの学校には車いすの子はいますか。車いすの子がいたら障害者の避難の大変さがわかったでしょう。机の下にももぐれません。階段もおりられません。皆さんの中に障害者がいたら、一緒に避難する方法を知恵をつかって考えていくでしょう。」と応えたことでした。最後にみんなで「命の歌」を合唱してくれました。そしてみんなで集めた募金が手渡されました。この募金は学校の畑で取れた野菜などを売って蓄えたものだそうです。

 講演のあと控え室になっている6年生の教室で、「テレビで見ていたけど、話を聞いてよくわかった。話が聞けてよかった。」との感想を聞きました。帰りには階段を下るのをみんなで支えてくれました。上川口小学校の皆さんありがとうございました。

 被災障害者がこうして子どもたちに被災の様子を語る企画はいいなあと思いました。 小野さんも機会があれば、協力をするとおっしゃっていました。ホームページをごらんの皆さんこんな企画を作ってください。